目次
根管治療とは?

治療の目的と治療方法
治療の目的
歯髄炎
歯髄炎は、歯の内部の歯髄に炎症が起こっている状態で、原因は進行した虫歯や外傷、歯周病などです。
主な症状には、ズキズキとした痛みや冷たいものに強くしみる感覚、夜間や入浴中に痛みが増すといったことがあります。
歯根膜炎
歯根膜炎は、歯根膜に炎症が発生する病気で、噛むと痛みを感じたり、歯が浮いたような感覚があります。
炎症が進行すると、歯肉が腫れて発熱することもあります。
根尖性歯周炎
根尖性歯周炎は、歯髄の炎症が根の先端まで達し、周囲の骨組織まで感染が広がった状態です。
この段階では、歯根の先端に膿の袋ができることがあり、歯が浮いた感じや鈍痛、歯肉の腫れが見られます。
適切な治療により膿を排出し、感染を抑える必要があります。
歯髄壊死
歯髄壊死とは、歯髄が死んでしまった状態で、これにより歯の変色や痛みの消失が起こることがあります。
しかし、壊死した歯髄がさらに進行すると腐敗し、口臭が発生することもあります。
壊死した歯髄を除去し、感染が広がらないようにすることが重要です。
治療方法
虫歯を取り除く
治療の最初のステップは、歯の冠部分にある虫歯を取り除くことから始まります。
続いて、根管の入り口を確保します。
根管は非常に細かく複雑な形状をしているため、処置しやすいように広げ、場合によっては歯が薄くなっている部分を補強します。
この補強処置により、治療中の破損や唾液の侵入を防ぎます。
根管内を丁寧に清掃する
次に、根管の長さを正確に測定し、専用の器具を用いて根管内を丁寧に清掃します。
根管は非常に複雑な形状をしているため、拡大鏡を使用し、細かい部分まで確認しながら清掃を行います。
この過程では、根管内の汚れや感染物質をしっかりと除去することが重要で、再発を防ぐためにも徹底した清掃が求められます。
根管の消毒
清掃が終わった後は、消毒を行います。
消毒には複数の薬剤が使用され、根管内を徹底的に殺菌し、細菌の再感染を防止します。
複雑な症例の場合、時間をかけて慎重に消毒を進めることで、治療の成功率が高まります。
根管充填
消毒が完了し、症状が改善された後、根管内に薬剤を充填します。
この充填は、根管を密閉し、再感染を防ぐために重要です。
薬剤の充填には精密な技術が求められ、正確な処置が行われることが治療の成功を左右します。
土台を装着
根管充填が完了した後、歯の補強のために土台を装着します。
この処置により、歯の強度が向上し、歯が再度破損するのを防ぎます。
特に歯冠部が脆弱な場合、この補強処置は長期的な歯の安定性を保つために不可欠です。
被せ物の装着
治療の最終段階として、被せ物を装着します。
クラウンは、歯の形や噛み合わせにぴったり合うように精密に作成されます。
装着後は治療が完了し、経過観察を行って問題がないか確認します。
根管治療の種類
抜髄
抜髄は、歯髄が感染した場合に歯の神経を取り除く治療です。
虫歯が深く進行した場合や外傷によって神経が侵された場合に行われます。根管内の神経は非常に細く、治療には高度な技術と精密さが求められます。
感染根管治療
感染根管治療は、根管内に細菌が増殖している状態を治療するものです。
虫歯や歯周病の進行によって根管内で細菌が増殖し、骨まで影響が及んでいるケースでは、早急な処置が必要です。
適切な治療により、再感染を防ぎ、抜歯のリスクを軽減することが可能です。
正確な診断と緻密な治療が重要
根管治療は、歯の内部構造が非常に複雑であり、精密な診断と緻密な治療が不可欠です。
CTスキャンを用いることで、歯の根の状態や周囲の組織を詳細に確認し、見落としのない正確な診断を行います。
当院では、CTによる画像診断を駆使し、他院で見逃された問題にも対応しています。
CT画像を基にした治療計画によって、治療の精度が向上し、治療後の再発リスクも大幅に減らすことが可能です。
根管治療とは、虫歯や歯の破損により細菌が歯髄に侵入し、炎症を引き起こしている場合に行う治療です。
歯髄は、歯の内部にある神経や血管を含む重要な組織であり、ここに細菌が侵入して炎症を起こすと、ズキズキとした痛みや腫れが発生します。
この状態を放置すると、歯の根を支える骨が溶けてしまうこともあります。
根管治療は歯を抜かずに残すための最終的な治療法となります。